


製品の概要
エドワーズ サピエン 3 Ultra RESILIA システムは、経皮的心臓弁留置に用いるバルーン拡張型人工心臓弁システムです。大動脈弁狭窄症に対して行われるTAVIで使用される人工生体弁であり、ウシ心のう膜弁を用いた製品です。
保険上の評価
決定区分はC1です。保険償還価格は4,730,000円で、類似機能区分は「182 経カテーテル人工生体弁セット(1)バルーン拡張型人工生体弁セット」です。有用性加算5%が認められています。
また、令和10年5月31日までは、期限付改良加算による評価を上乗せした4,940,000円の保険償還価格が示されています。費用対効果評価はH1区分に該当します。
既存技術・既存機器との比較
比較対象は、既存の経カテーテル人工生体弁セット、経カテーテル弁置換術、外科的大動脈弁置換術などです。本品では、心膜にキャッピング処理及びグリセリン処理が施されていることが、特殊型・期限付改良加算ありの定義に関係しています。

MBEXの見解
本件は、高額医療機器において、有用性加算、期限付改良加算、費用対効果評価が同時に関係する複雑な事例です。
耐久性の向上が臨床的にどの程度の効果があるかを見極める事例であり、典型的な「チャレンジ申請事例」といえます。
エドワーズライフサイエンス社はこの分野の保険適用についてはリーダー的存在であり、数年をかけてのチャレンジ申請を正確に進めた結果と思われます。
今回有用性加算5%が認められた一方で、費用対効果評価H1区分に該当するため、収載時の価格だけでなく、その後の費用対効果評価による価格調整リスクも視野に入れる必要があります。
高額・大市場の医療機器では、「加算を取る」ことだけでなく、費用対効果評価、期限付加算の終了時期、既存機能区分の定義変更まで含めた中長期の価格戦略が重要です。
自社製品への示唆
高額医療機器では、臨床上の有用性を価格に反映させるだけでなく、費用対効果評価や市場規模予測を含めた保険適用後の展開まで設計する必要があります。
