



製品の概要
Cobalt MRI ICDシリーズ及びCobalt MRI CRT-Dシリーズは、日本メドトロニック株式会社の植込み型除細動器及び両室ペーシング機能付き植込み型除細動器です。
心室性頻拍等の治療を目的として体内に植え込み、センシング、ペーシング、抗頻拍ペーシング治療及び除細動を行います。撮像可能条件に適合する場合には、限定的にMRI検査を行うことも可能です。
保険上の評価
決定区分はC1です。保険償還価格は、Cobalt XT VR MRIが2,720,000円、Cobalt XT DR MRIが2,800,000円、Cobalt XT HF CRT-D MRIが4,550,000円、Cobalt XT HF Quad CRT-D MRIが4,960,000円です。
類似機能区分比較方式により、有用性加算5%が示されています。
企業希望では有用性加算10%が主張されていましたが、最終評価では5%となっています。
既存技術・既存機器との比較
比較対象は、既存の植込み型除細動器、CRT-D、MRI対応デバイス、抗頻拍ペーシング機能を有する既存機器です。
資料上は、内因性抗頻拍ペーシング機能などを踏まえ、心室頻拍停止成功率やショックを伴う頻脈促進の低下が評価論点となっています。

MBEXの見解
本件は、成熟した高機能デバイス領域においても、既存区分との差分が明確であれば有用性加算が認められることを示しています。
本品の臨床的有用性の本質は心疾患患者の命綱としての性能拡充であり有用性を否定する要素はないと考えます。
一方で、企業希望の10%に対して最終的には5%となっており、前例をふまえればある意味妥当な加算といえるものです。本事例は臨床上の有用性が示されても、既存区分との比較においてどこまで価格に反映されるかは慎重に判断されることがわかります。
植込み型デバイスでは、性能向上そのものだけでなく、安全性、作動確実性、患者負担軽減、医療機関側の管理負担軽減をどのように保険上の価値として整理するかが重要です。
同時期に保険導入されたエドワーズ社のサピエン同様この製品もチャレンジ申請により地道に臨床データの蓄積を進めた事例でありメドトロニック社の実力が垣間見えます。
自社製品への示唆
既存区分が確立した領域では、次世代化や機能追加をそのまま主張するのではなく、既存機器と比較した臨床的差分を、加算要件に沿って絞り込む必要があります。
