


製品の概要
シルクエラスチン創傷用シートは、全層創傷及び部分層創傷の治癒を目的に使用する創傷用シートです。特に、既存治療に奏効しない難治性創傷にも適応される点が特徴です。
保険上の評価
決定区分はC1です。保険償還価格は1㎠当たり1,460円で、算定方式は原価計算方式です。関連技術料として、J000創傷処置、J001熱傷処置、K002デブリードマン、K013分層植皮術が示されています。
企業希望価格は1㎠当たり1,760円であり、実際価格はこれを下回りました。企業希望では原価計算方式による価格設定が示されていましたが、最終的には市場規模予測や費用対効果評価への該当性も含めて、より抑制的な価格に整理されたと見ることができます。
既存技術・既存機器との比較
比較対象は、局所陰圧閉鎖療法、人工真皮、一般的な創傷処置、熱傷処置、デブリードマン、植皮術などです。
本品は、滲出液を吸収して溶解した後、体温により主成分であるシルクエラスチンが自己会合しゲル化することで、創傷面を保護し湿潤環境を保持する設計です。資料上は、慢性創傷及び急性創傷の試験成績が示され、既存治療との比較が行われています。

MBEXの見方
本件は、既存治療に奏効しない難治性創傷という明確な対象患者を設定し、創傷治癒促進という臨床価値をC1で評価させた事例です。
一方で、原価計算方式での評価では、企業側が想定した価格がそのまま通るとは限りません。臨床上の有用性が示されても、価格としてどこまで反映されるかは、既存治療との位置付け、使用制限、適正使用指針、ピーク時市場規模などの整理に左右されます。
今回の算定にあたり医学的必要性を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること、関連学会の定める適正使用指針に従うこと、一連の治療計画あたり原則98㎠までという制限が示されています。
MBexの経験則としての評価ですが、使用方法(対象患者、使用量)に対する当局の審査はかなり厳格ですが、関連学会との連携により当局が納得しうる指針等を提出することが希望価格を実現する大切な作業です。使用指針のあり方で市場規模が変動することを考えると価格の多寡にとらわれない、柔軟なアプローチが望まれるところです。その根拠とするためにも実臨床での使用条件を説明できる資料構築が重要です。
自社製品への示唆
難治性創傷や既存治療不応例を対象とする製品では、単に新規材料であることではなく、どの既存治療の限界を補うのか、使用対象をどこまで限定するのか、適正使用をどう担保するのかが重要です。
