中医協ウォッチ

2026年3月1日収載予定の医療機器・IVD保険適用を読む(その1)

1. 今回の対象資料

今回取り上げるのは、中央社会保険医療協議会において示された「医療機器の保険適用について(令和8年3月1日収載予定)」および「臨床検査の保険適用について」です。

2026年3月1日収載予定分では、医療機器のC1、C2案件に加え、体外診断用医薬品のE3案件が示されています。
今回の特徴は、単に新しい製品が収載されたというよりも、既存機能区分、既存技術料、既存検査項目との比較を通じて、新規性や有用性をどのように保険上評価するかが示されている点です。

特に、以下の論点が重要です。

  • C1では、既存機能区分を基礎としながら改良加算・経済性加算をどのように評価するか
  • C2では、特定保険医療材料として評価するのか、新規技術料として評価するのか
  • 原価計算方式が用いられた場合、有用性加算が価格にどこまで反映されるか
  • E3では、既存検査項目との関係をどのように整理するか
  • 新規性の高い製品であっても、既存技術・既存機器・既存検査との比較軸が評価の中心になること

2026年3月1日収載予定分のC1・C2一覧

2026年3月1日収載予定のC1・C2案件一覧。C1ではOsiaシステム、Sphere-9カテーテル、カンシャスが掲載され、C2では冷凍手術器Visual-ICE、C2 CryoBalloonシステムが掲載されている。

2. C1区分の概要と評価ポイント

2-1. Osiaシステム

Osiaシステムは、骨に直接振動を伝える骨固定型の骨導補聴器です。聴覚障害のうち、少なくとも一側の骨導閾値が正常ないし軽度障害である症例に対して使用されます。

保険償還価格は、OSI200インプラントが744,000円、Osia 2サウンドプロセッサが325,000円です。類似機能区分は「211 植込型骨導補聴器(直接振動型)」で、インプラントについては改良加算5%が認められています。

Osiaシステムの保険適用決定区分及び価格案
OsiaシステムはC1として評価され、既存の植込型骨導補聴器を類似機能区分としながら、インプラント部分に改良加算5%が認められている。

既存技術・既存機器との比較

比較対象は、既存の植込型骨導補聴器、気導補聴器、骨導補聴器、軟骨伝導補聴器です。

本品は、振動を骨に直接伝える骨固定型骨導補聴器であり、既存の植込型骨導補聴器の機能区分を基礎に評価されています。資料では、気導補聴器、骨導補聴器、軟骨伝導補聴器の装用が困難、または補聴効果が不十分な患者が適応として示されています。

  • MBEXのコメント

この案件は、既存の機能区分に該当する製品であっても、構造上の改良をどこまで保険上の加算に結びつけられるかが論点となった例です。
企業側は改良加算10%を希望しましたが、最終的には5%となりましたがこの加算率は臨床試験による立証によらないケースに慣例的に適用されるレートが適用されたと見ることができます。
臨床上の有用性の評価として聴覚の改善で示された聴力検査値において「自由音場閾値検査」、「騒音下の適応型語音了解」の改善がもたらす効果は患者QOLとして評価されます。聴力の改善を評価する一方で他の有用性加算前例とのバランスを行政側がどのようにジャッジするかが課題であった考えられます。
このような場合は臨床サイドとしての有識者の温度感をどのように行政に伝えるかが問われる事例といえるものです。

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